Gas cystoscopyを用いた顕微鏡的血尿に対する出血側判定法の開発

概要

論文の詳細を見る
(背景と目的)顕微鏡的血尿患者における上部尿路からの出血側検出を目的として,新しい検査方法を開発した。(対象と方法)顕微鏡的血尿の出血側を検出するための新しいカテーテルは,内筒先端に尿潜血試験紙が取り付けてあり,外筒先端に防水キャップが取り付けてある。内筒は手元の操作で出し入れが可能である。各尿管□から出る尿を個別に尿潜血試験紙と反応させるために,膀胱鏡時に膀胱内に炭酸ガスを注入し,本法をgas cystoscopyと称した。顕微鏡的血尿の出血側判定は,原潜血試験紙を各尿管口より出る尿に浸して,膀胱内で行った。顕微鏡的血尿患者16例を対象として本法の有用性を検討した。(結果)16例中14例(88%)で出血側の判定が可能であった。片側性血尿と判定された6例では,血尿の原因疾患はすべて泌尿器科的上部尿路疾患であり,いずれも病変側のみ陽性と判定された。両側性血尿と判定された8例では,血尿の原因疾患はすべて糸球体性腎疾患であった。(結論)本法が顕微鏡的血尿の出血側判定に有用であることが確認された。顕微鏡的血尿患者に対する診断方法については,泌尿器科医,腎臓内科医にとって未解決の問題が残されている。本法により顕微鏡的血尿患者に対する新しい診断方法が得られる可能性が示唆された。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1996-04-20

Gas cystoscopyを用いた顕微鏡的血尿に対する出血側判定法の開発

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク