Semirigid型細径尿管鏡を用いた経尿道的尿管砕石術

概要

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(背景と目的) semirigid型細径尿管鏡を用いて行った経尿道的尿管結石除去術 (TUL) の成績をそれ以前の硬性尿管鏡を用いたTULの成績と比較して, 今日における尿管結石の治療法としてのTULの意義について検討した. (対象と方法) 浦和市立病院において1991年より1994年の間に136例の尿管結石患者を対象にTULを行った.1991年7月より1993年3月までの82例には14Fr.硬性尿管鏡を使用して行った (前期症例).1993年4月より1994年7月までの54例は9.5Fr.または7Fr.のsemirigid型尿管鏡を使用した (後期症例).完全砕石率は全体では62.5%, 前期症例では56.1%, 後期症例では72.2%であった.上部, 中部, 下部結石の砕石率はそれぞれ前期症例で18.2%, 54.8%, 72.4%で, 後期症例では14.3%, 72.7%, 88.0%と中部および下部結石に対しては成績が上昇した.不成功の原因の最大の原因は砕石中の結石の上方移動であった.後期症例では前期症例と比較して, 術中および術後の合併症の発生は少なかった. (結論) 以上の結果から, 新しい光学ファイバー視管付きのsemirigid型尿管鏡は経尿道的尿管結石除去術をより安全で効果的なものとし, 下部尿管結石に対してはTULが治療の第一選択となり得ると思われた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1995-11-20