小児膀胱尿管逆流症における腎内逆流の意義

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概要

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腎内逆流を伴う小児膀胱尿管逆流症7例8尿管について報告した。全例1歳未満の男児で全て発熱・尿路感染を主訴に受診したが,1例は左側腹部尿嚢腫も伴っていた。逆流はIII度3腎,IV・V度5腎と高度例が多く,大多数は続発性であった(前部尿道リング状狭窄2,後部尿道弁2,神経因性膀胱2),腎内逆流の存在部位は上・下極区5,腎全体3で前者は6割が中等度逆流,後者は全て高度逆流であった。腎内逆流を有する腎は大多数が上・下極に瘢痕を有しており,4腎では瘢痕の新生を認めた。相対的DMSA腎摂取率の低下した低形成腎ないしは低異形成腎と考えられる腎も2腎認めた。また瘢痕の存在部位と腎内逆流の存在部位は必ずしも一致せず,腎全体への腎内逆流でも瘢痕を腎全体に認めるとは限らなかった。腎内逆流と腎瘢痕およびDMSA腎シンチの意義と問題点について考察を加えた。腎瘢痕形成には尿路感染の関与が大きいと考えられた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1991-09-20

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