長期血液透析患者に発生した両側腎細胞癌の1例

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概要

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症例は39歳男性。1959年頃より時々肉眼的血尿を自覚したため,近医受診し腎炎の診断の下に経口薬にて治療。その後徐々に腎機能の低下をきたし1974年11月より血液透析療法を開始した。1988年2月肉眼的血尿を認めたため,CT-scanが施行され両側多発性腎嚢胞と右腎上極にdensityの不均一な部位を認めたため,当科入院し精査の結果,右腎細胞癌の疑いにて経腹膜的右腎摘除術を施行した。左腎については無機能で,長期透析患者に高率に腎細胞癌を合併することを考慮し同時に摘除した。結果として病理組織診にて,両側腎細胞癌と診断された。最近,長期透析患者のacquired cystic disease of the kidneyと腎細胞癌の合併が注目されてきている。今回我々は長期血液透析患者に発生した両側腎細胞癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告した。
1991-12-20

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