膀胱癌BCG免疫療法患者におけるBCG65kDa蛋白抗原に対する免疫応答 : 本抗原遺伝子を用いた解析と単クローン抗体の開発
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概要
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BCG菌体の細胞壁成分である65kDa蛋白質は熱ショック蛋白質(hsp)の一種であり,細菌類から哺乳類までその構造に相同性を有することが知られている。我々は膀胱腫瘍に対するBCG膀胱内注入療法においてこの蛋白質が果たす免疫学的な役割を解析した。膀胱腫瘍患者でBCG膀胱内注入療法を施行した51例につき,BCG 65kDa 蛋白質に対する抗体価をELISA法で測定した。BCG 65kDa 蛋白質は本蛋白質をコードする遺伝子を有するプラスミド(pTB12)を用い大腸菌に産生させた。その結果BCG瞬胱内注入療法によって,BCG65kDa蛋白質に対する抗体価が上昇することが確かめられた。次にpTB12を利用しBCG 65kDa 蛋白質に対する単クローン抗体を4種類開発した。(B-20,B-97,B-108,B-167)。さらにpTB12の欠失ミュータントを作製し,65kDa蛋白質の部分欠失蛋白質を産生させることに各単クローン抗体の認識する65kDa蛋白質分子上のエピトープの局在を推測した。これらの単クローン抗体を用いてBCGと哺乳類細胞との間にクロスするエピトープは哺乳類細胞には存在しなかった。しかし、B-108によって認識される認識されるエピトープはヒト膀胱腫瘍組織をはじめ様々な組織で、その発現が認められた。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1991-01-20
著者
-
守殿 貞夫
神戸大学医学部泌尿器科
-
佐藤 昇志
札幌医科大学第一病理
-
原 勲
神戸大学医学部泌尿器科
-
菊地 浩吉
札幌医科大学第1病理
-
菊地 浩吉
札幌医科大学
-
原 勲
神戸大学医学部・泌尿器科
-
佐藤 昇志
札幌医科大学 医学部病理学第一講座
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