尿細胞診の研究 (第1報) : 簡便なる尿中剥離細胞の走査電顕による観察法
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概要
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円形カバーガラスに poly-L-lysineでポリカチオン膜を張り,これに細胞遠沈装置 (cytocentrifuge)を用いて尿中の剥離細胞を附着せしめ,それを走査電子顕微鏡で観察する方法を述べた.この方法で観察した所,尿中剥離細胞の表面構造は良好に保持されていた.尿中剥離細胞表面を走査電顕で観察し,pleomorphic microvilliをもつ細胞を検出する方法は,従来の光顕による尿細胞診の限界を補う方法になりうる可能性があり,将来,(1)分化型低進展性(low grade, low stage)膀胱腫瘍の検出及び術後の追跡手段,(2)放射線治療後の膀胱腫瘍患者の追跡手段, (3)膀胱発癌物質にさらされる危険率の高い工場労働者のスクリーニング法として利用できうる可能性がある.
著者
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鈴木 徹
東京大学医学部付属病院分院泌尿器科
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B. Jacobs
聖ピンセント病院病理部:マサチュセッツ医科大学病理学教室
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H. Friedell
聖ピンセント病院病理部
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H. Friedell
聖ピンセント病院病理部:マサチュセッツ医科大学病理学教室
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Friedell Gilbert
聖ピンセント病院病理部
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