上部尿路結石症に対するESWL単独療法

概要

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1989年6月から1991年6月までの期間に腎,尿管結石に対する体外衝撃波結石破砕術(ESWL)単独治療288例を経験したので,その成績を報告し,併用療法の必要性について検討した.腎結石は121例,尿管結石は167例であった.砕石装置はMedstone STSを使用し,原則的に無麻酔で治療を施行した.288例に対して437回,平均1.52回のESWLを施行した.治療直後の判定で砕石有効率は腎結石で94.3%,尿管結石で87.6%であった.ESWL治療3ヵ月後の時点で残石なし,となった率は腎結石で60.3%,尿管結石で90.4%であった.全例,併用療法は施行しなかった.この成績は諸家の報告で併用療法を施行した場合と同様であった.諸家の報告例における併用療法を施行した理由について検討したが,本機種ではこれらの理由は問題にならずESWL単独療法が可能と考えられた. 以上より,患者に対する精神的かつ身体的負担を少なくするために,ESWL単独療法が可能な砕石装置を使用して治療をすることが重要であると考える.また,尿路結石症は再発率が高く,繰り返し治療をうけることが少なくないことから,ESWL単独療法は優れた治療法と考えられる.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1992-10-20