異所性尿管瘤の外科治療 : hiatus 分類に基づいた strategy

概要

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昭和40年から57年の18年間に当教室で経験した異所性尿管瘤は20例22尿管であり,男性2例2尿管,女性18例20尿管であった.全例が尿路感染症に起因する症状を訴え,その他には排尿障害5例,瘤脱3例等がある.初診時年齢は1歳未満4例,1〜3歳5例,4〜6歳3例で15歳以上は8例であった.当疾患に対し我々は外科治療を原則としているが,その術式の選択決定のために次の項目の評価を前提としている.即ち,(1)hiatusがcommon(type C)かseparate(type S)か,(2)瘤所属腎機能,(3)姉妹尿管への逆流の有無,(4)瘤のeversionの有無である.そのためには排泄性腎盂造影,膀胱尿道鏡,腎シンチグラム及び排尿時膀胱尿道造影が有力な手段である.type Sの場合は,我々の検討で全例に所属腎の形成不全を認めていることからheminephroureterectomyと瘤切除が施行されている.type Cの場合は,排泄性腎盂造影で描出されなくとも腎シンチグラム上,機能の認められる例が多く,最近では腎を保存する傾向がはっきりとしてきており,二尿管の膀胱新吻合術と瘤切除,あるいは経尿道的瘤切除のみが施行されている.最後に我々が行っている術式の要点を述べた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1984-09-20