本邦新第三紀凝灰岩類中の沸石帯について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本邦新第三系は多量の凝灰岩を含み,続成作用その他の変質作用を受けている。それらは長石,沸石を特徴鉱物とする次生鉱物の組み合わせにより五帯に分帯される。典型的な場合,地表から深部に向って五帯が順次に配列しているが,一般にはいろいろの場合があって本邦新第三系では,四つの型が認められる。それぞれの型の分布は新第三紀以後の地史と地質構造に密接に関連している。一方,沸石岩に関する岩石化学的研究の結果,アルカリ及びアルカリ土類の差別的移動がそれぞれの帯と型を形成する際本質的な役割を果たし,沸石帯の上限と下限は主として温度条件により規制されているらしいことがわかった。従って,沸石帯の型,地下増温率,埋没深度,孔隙率,化学成分の移動などの間には密接な対応関係がある。
- 日本地質学会の論文
- 1971-07-31
著者
-
歌田 実
東京大学理学部地質学教室
-
歌田 実
Institute of Earth Science and Astronomy, College of General Education, Universrty of Tokyo
関連論文
- 堆積岩無機物の研究
- 続成作用における地層水の組成変化
- 続成作用の特性からみた羽越地向斜
- 北部フォッサマグナ地域,とくに中央隆起帯にみられる変質作用
- 本邦新第三紀凝灰岩類中の沸石帯について
- 黒鉱鉱床変質帯の粘土鉱物組成と交換性陽イオン組成 (1) : 松峰・釈迦内・松木鉱床周辺
- 22.北陸地方第三系における変質鉱物の分布と成因
- 四国・淡路島の和泉層群の沸石続成帯と堆積盆解析