沖縄県与那国島の八重山層群,久部良岳層のシーケンス層序

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
沖縄県与那国島に分布する八重山層群 (前期中期中新世) の入部良岳層をシーケンス層序学的に解析した。その結果, 層厚およそ100 mの入部良岳層のなかに6つの堆積シーケンスが識別された。個々のシーケンスは, 相対的海水準上昇期の薄い沖浜堆積物と, それに続く高海水準期に沖浜から外浜へと浅海化する過程で形成された厚い地層から構成される。シーケンス境界は, シャープな海進面 (ラビーンメント面) である。久部良岳層のシーケンスは, 上位のものほど浅海化する傾向があり, 前進型の累重様式をとっている。入部良岳層の個々のシーケンスに見られる相対的海氷準上昇期の沖浜堆積物は, ほとんど生物撹拌作用を被っていないことに特徴づけられる。これは, 急激な海水準上昇に伴う外浜侵食により, 沿岸域から大量の砕屑物がタービダイトとして頻繁に供給されたため, 底生生物の活動が著しく阻害され, 生物撹拌作用が進行しなかった結果と考えられる。
日本地質学会の論文
1995-08-10

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク