P-20 新規接着用貴金属合金のESCAによる表面分析

概要

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接着性レジンに対して優れた接着性を有する卑金属元素を貴金属合金に添加することによって、前処理なしに清浄な貴金属合金表面に接着性レジンを強固に接着させることができる。貴金属合金を構成する合金成分(Au、Pd、Ag、Cu)に接着性を改良するための卑金属元素(Sn、In、Zn)を、それぞれ単独に10〜35%添加した。Auに対しては15%のInで、Agに対しては20%のSn添加で、Cuに対しては卑金属元素5%の添加で4-METAレジンに対する接着性の著しい改善がみられた。また、Pdに対しては、添加の効果が全くみられなかった^<1)>。本研究では、これらの合金表面をESCAで分析し、この理由を解明することを試みた。その結果、Au-In合金ではIn添加量の増加に伴って、合金表面においてバルク組成よりもInの濃度が高くなった。O 1sのスペクトルを解析したところ、In添加量の増加に伴って酸化物を構成する酸素量が増し、物理吸着した水に由来すると考えられる酸素量が減少した。
日本歯科理工学会の論文
1992-04-30