石膏系埋没材の加熱過程で発生する熱応力のシミュレーション
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概要
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埋没材の加熱過程で生じる熱応力に関しては定性的な議論がなされてきたにすぎない.この問題を明確にするために,軸対称半無限円筒を一定速度で加熱したときの温度分布を理論解から計算した.この温度分布から熱膨張,鋳型材中の熱応力を計算する式を導き,数値シュミレーションを行った.材料として石膏系クリストバライト埋没材を選び,熱拡散率,弾性率,熱膨張には実測値を用いた.その結果,クリストバライトの相変態との関係で熱応力が計算され,合金の鋳込み温度で,鋳型の表面に圧縮,中心部に引張応力が加熱速度と関係していることが示された.次に,鋳造リング内の鋳型の熱応力計算から,鋳型には圧縮応力が生じていることが示された.以上の結果から,鋳型材の加熱速度,鋳型リングの熱膨張は寸法適合精度を決める因子であり,ここでの方法が鋳型の最適加熱プロセスの設計に有効であると結論した.
- 1996-12-25
著者
-
浅岡 憲三
徳島大学歯学部歯科理工学講座
-
Tesk John
National Institute Of Standards And Technology Dental And Medical Materials
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