窩洞内でのアマルガムのクリープに関する有限要素法解析 : 咬合接触がアマルガムにある場合

概要

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充〓された材料の70%以上は撤去され, 新たな材料が再充〓されている.アマルガムについてみると, 二次齲蝕が撤去の理由であることが最も多いが, 辺縁の不適合, 材料の割れが原因であることもある.また, 辺縁の不適合が二次齲蝕の誘因であると考えられている.こうしたことから, アマルガムの辺縁破折の機構が調べられてきた.本研究では, 1級窩洞に充〓されたアマルガムの縁端に生じるgapとditchの成長を, 軸対称弾性クリープ有限要素法による数値シミュレーションにより調べた.ここで, 咬合力はクリープ変形するアマルガムに, 歯軸に垂直な方向から加わるとした.その結果, gapとditchの成長速度がアマルガムのクリープ値(ADAS no.1での表示)と, 咬合力の2乗にほぼ比例することが示された.ここでの結果から充〓材料の寿命を推定すると, クリープ値の高いアマルガムを用いたり, 咬合力が高い場合には, アマルガムの辺縁の不適合が4〜10年後に生じることが明らかにされ, 辺縁破折に関する多くの床例報告と一致した.
日本歯科理工学会の論文
1992-11-25