ハイブリッドリポソーム単独投与によるマウス神経芽腫肝転移抑制効果
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概要
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【目的】ハイブリッドリポソーム(HL)はドラッグデリバリーシステムとしての働きだけでなく, 単独投与でも腫瘍細胞にアポトーシスを誘導することが近年判明した.そこで難治性の進行神経芽腫の治療へのHLの応用を念頭に, 分子量の異なる三種類のHLが単独投与でも神経芽腫肝転移に対する抑制効果を有するかについて, マウス神経芽腫肝転移モデルを用いて検討した.【対象と方法】In vitro: マウス神経芽腫細胞(C1300N18)に0.03〜0.9mmolの濃度で三種類のHL(HL21, 23, 25)を投与して, 24時間後の生存細胞数を算定することにより, 神経芽腫細胞への増殖抑制効果を評価した.In vivo : A/Jマウスの脾臓内にC1300N18細胞を5×10^6個移植して作製した肝転移モデルを用いてHLを各々10ml/kgずつ, 8日間連日で腹腔内投与した.肝転移抑制効果の判定は, 実験開始後18日目に各群(n=9)の平均肝重量を測定し, Mann-WhitneyのU検定を用いて比較検討した.また, 同様に作製した肝転移モデルマウスを用い, 実験開始後7日目から14日目までHLを腹腔内投与して, 各群の生存率をKaplan-Meier法により表記し, log-rank testを施行した.【結果】In vitro : HLの投与濃度が0.9mmol以上ではいずれも腫瘍細胞は死滅した.In vivo: コントロール群の平均肝重量±標準偏差は2.5±0.4g, HL21投与群では1.4±0.3g, HL23投与群では2.4±0.9g, HL25投与群では1.3±0.1gであり, HL21およびHL25投与群ではコントロールと比較して有意に低値を示した.生存率に関しては, 三種類すべてのHLにおいて有意に延命効果が認められた.【考察】培養神経芽腫細胞を用いた実験から, HL単独投与によるマウス神経芽腫細胞増殖抑制効果が認められた.さらに, in vivoにおいてHL21およびHL25では顕著なマウス神経芽腫肝転移抑制効果および延命効果が認められた.
- 日本小児外科学会の論文
- 2005-12-20
著者
-
吉澤 穣治
東京慈恵会医科大学小児外科
-
山崎 洋次
東京慈恵会医科大学外科
-
山崎 洋治
米国
-
根岸 由香
東京慈恵会医科大学外科
-
吉澤 穣治
東京慈恵会医科大学外科
-
山崎 洋次
Department Of Surgery The Jikei University School Of Medicine
-
山崎 洋次
東京慈恵会医科大学外科学講座第1
-
山崎 洋次
東京慈恵会医科大学外科学講座
-
山崎 洋次
神奈川県立厚木病院 外科
-
山崎 洋次
東京慈恵会医科大学 第1外科
-
山崎洋 次
東京慈恵会医科大学外科
-
古澤 穣治
東京慈恵会医科大学第1外科
-
松本 陽子
崇城大学大学院工学研究科応用生命科学専攻
-
上岡 龍一
熊本工業大学工学部 応用化学科
-
松本 陽子
崇城大学工学部応用生命科学科
-
上岡 龍一
崇城大学工学部応用生命科学科
-
上岡 龍一
Division Of Applied Life Science Graduate School Of Engineering Sojo University
-
上岡 龍一
熊本工業大学工学部工業化学科
-
Matsumoto Y
Department Of Clinical Pharmacology And Toxicology Showa Pharmaceutical University
-
山崎 洋次
東京慈恵会医科大学第一外科学教室
-
Matsumoto Yoshiaki
Department Of Pharmaceutics Showa College Of Pharmaceutical Sciences
-
松本 宣明
Division Of Applied Life Science Graduate School Of Engineering Sojo University
-
Ueoka Ryuichi
Sojo University
-
松本 陽子
Div. Of Applied Life Sci. Graduate School Of Engineering Sojo Univ.
-
Matsumoto Y
Hoshi Univ. Tokyo Jpn
-
吉澤 穣治
東京慈恵会医科大学 小児外科
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