「英独同盟交渉」(1898〜1901年)とイギリス外交政策
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概要
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研究史の上では,いわゆる「英独同盟交渉」(1898〜1901年)は"神話"であったという解釈が,ほぼ定着している。小論は,この解釈を『日本外交文書』に収録されている邦語史料を用いて,両当事国以外の国の史料で検証した。さらに小論は,19世紀末から第一次世界大戦の勃発に至るイギリス外交政策の上から「英独同盟交渉」の意義を考察している。そこで「揚子江協定」の満州問題への適応か否か?の問題と,ヨーロッパ大陸におけるイギリス外交政策に関する問題の2つの問題の重要性を指摘した。つまりイギリスにとって「英独同盟交渉」(1898〜1901年)とその失敗の過程は,海外の既得権益防衛のための速やかな対応と,ヨーロッパ内での提携に関する慎重に考慮された政策という,19世紀のイギリス対外政策の特徴であるこの二つの側面を典型的に示すものであった。そしてこれはそのまま,第一次世界大戦前のおよそ四半世紀に渡るイギリス外交政策の特徴でもあった。
- 2004-03-15
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