『ノヴェッリーノ』に見るDuecentoの物語 : 『ノヴェッリーノ』第51話と『デカメロン』I-9
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概要
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13世紀後半に口語文体で書かれた『ノヴェッリーノ』(Novellino)は別名『古譚百話』(Le Ciento Novelle Antike)とも呼ばれ、その一見したところの素朴さもしくは文体の単純さにも拘らず、イタリア文学及びイタリア文化の歴史上、最も重要な興味深い作品の一つであると考えられる。しかし今世紀の半ばにいたるまで物語文学の枠内にとどまらず広くイタリア語散文の範であった次世紀の大傑作『デカメロン』に比して、未成熟な段階の稚拙な作品として評価されがちであった。本稿はこの作品を13世紀末における物語文学技法として再評価し、さらにボッカチオとの比較を通して、その二作品の間の数十年間の意味について新たな視座を得ようとする試みである。
- 1990-10-20
著者
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