イタリア語における無標の語順について
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概要
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イタリア語の文における語順については, 多くの文法書がそのいれかえの自由さを指摘しながらも, ふつうの語順として次のような「基本構文costru-zione diretta」を設定している(たとえば, Battaglia-Pernicone, 1963^2, pp.515-516;Fogarasi, 1984^2, pp.390-392;Migliorini, 1973^2, p.301;Regula-Jernej, 1975^2, pp, 321-323など). (1)主語+〓辞+名詞的述語 主語+動詞的述語 主語+動詞的述語+目的補語 いれかえの出発点となる基本の語順は, 無標の語順といいなおすことができるが, 拙稿ではこれから, 上の「基本構文」による無標の語順が実際に妥当なのかどうかを検討していきたい.無標の語順を見定めるにあたっては, 主語と補語に同等の重きを置けるという利点から, 動詞(V)がいくつの名詞の項と結合するかという場合ごとに分けて, これを検討していくことにする.一項動詞は主語(S)と, 二項動詞は主語および直接目的補語(O)と, さらに三項動詞は主語, 直接目的および間接目的補語(I)と結びつくのが典型的である.そうすれば, 前にあげた「基本構文」の語順は次のように標示しなおすことができる.
- 1986-10-30
著者
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