分散型データベースにおける逐次化グラフ検査を用いたスケジューラの実現と評価

概要

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データベースの無矛盾性を保存するようなスケジュール方法がこれまでにいくつか提案されている.その中で逐次化グラフを用いたスケジューリングは,2相ロックや時刻印に基づく方法と比べてより高いトランザクションの並行性を達成する.我々は分散型データベースにおいて,逐次化グラフを用いて分散型スケジューリングを行なうアルゴリズムを既に提案している.このアルゴリズムは局所的データにのみアクセスするトランザクションの通信を抑えるため,データアクセスの局所性が高い時に有効であると予想される.本稿では,このアルゴリズムのシミュレーションによる評価を行なった.分散型データベースシステムのシミュレータ上に我々のアルゴリズムを採用した分散型スケジューラと集中型のスケジューラを実装し,実験を行なった.シミュレーションの結果,我々のアルゴリズムは集中型スケジューラに比べて,データアクセスの局所性の影響を受けやすいことが確かめられた.また,分散型データベースを構成するサイト数が多い時に我々のアルゴリズムが有効であることがわかった.
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-05-25