時間付きAmbient Calculus
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概要
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本報告では,動的に変化する階層構造を持つシステムの記述向けのプロセス代数であるAmbient Calculusを時間的な制約が記述できるよう拡張した時間付きAmbient Calculusを提案する.そのようなAmbient Calculusの特徴を活用して,たとえば物流システムを記述しようとする場合,記述対象をより忠実にモデル化しようとすると,移動イベントの発生を表すケーパビリティ消費の発生時間の間隔を指定できることが望ましい.そのため,従来のAmbient Calculusを基に,1)有効期限付き ケーパビリティ,2)指定した時間待機することを表すケーパビリティ,3)指定した時間内に指定したケーパビリティが消費されなかったことを表す特別なAmbientの導入が有効であることを考えた.従来のAmbient Calculusの構文規則,遷移規則にいくつかの規則を追加することで,それらの機構が自然に導入できることを示す.そして,これらを活用することにより,2つのイベントの発生間隔の下限と上限が指定できること,タイムアウト動作が記述できることなどを示す.次に,時間付きAmbient Calculusを用いて物流計画などを記述する場合の望ましい記述指針について述べ,そのような形で記述されたプロセス式に基づく監視システムの構築について述べる.さらに,海上物流や道路交通などを時間付きAmbient Calculusを用いて記述した知見を基に,記述の簡明化,読解性の向上に有用なマクロ記法についても述べる.
- 2013-08-29
著者
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