ウェブ認知ウォークスルーによるウェブサイトユーザビリティの評価
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概要
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本稿では、ウェブサイトユーザビリティ評価法のひとつであるウェブ認知ウォークスルー(CWW;Cognitive Walkthrough for the Web)についてその原理と実施方法について説明する。CWWは、Walk-Up-And-Useデバイスを対象としたユーザビリティインスペクション法として開発された認知ウォークスルーをウェブサイトのユーザビリティ評価に適合するように改良したものである。CWWではユーザがウェブサイトをナビゲートする過程をシミュレートしながらユーザビリティの問題を発見する。ここで、ユーザは、ウェブページのなかから注目すべき部分領域を選択し、そこから情報探索ゴールに意味的にもっとも近いリンクを選択するものとしてモデル化される。ユーザビリティの問題の発見は、部分領域の選択、およびリンクの選択が問題なく行えるかどうかの評価を、潜在意味解析(LSA;Latent Semantic Analysis)を利用してゴールとの意味的類似度を求めることにより客観的に行われる。ゴールの記述には、探索すべき情報ばかりでなく、動機や背景知識も含まれる。また、意味的類似度は、ユーザの知識をもっともよく表現する意味空間を選択して行われる。したがって、CWWでは、多様なゴール、ユーザに対応したユーザビリティ評価が可能となっている。さらに、本稿では、現実のウェブサイトをとりあげて、CWWの実施方法を具体的に説明する。
- 日本知能情報ファジィ学会の論文
- 2002-10-15
著者
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