母体・胎児集中治療室(MFICU)開設前後における岩手県周産期医療の状況と今後の課題

概要

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今回,われわれは,東北・北海道地区で初めて構築された岩手県周産期情報ネットワークと母体・胎児集中治療室(MFICU)の現状および今後の課題について報告する。県内各関連施設を総合周産期母子医療センター(3次医療),地域周産期母子医療センター(2次施設),周産期母子医療センター協力病院(2次医療),一般医療施設(1次医療)に分類し役割分担や相互の連携体制強化を行った。また,適切な母体搬送依頼情報の授受と情報の一元的管理解析を目的として周産期医療情報ネットワークを構築し,搬送依頼情報票の簡潔化やMFICU担当医への迅速な情報伝達などの工夫を行った。母体搬送総数は開設前年111件から開設1年目158件に増加(42.3%増)し,母体逆搬送件数は2001年で15件(地域センター13%,協力病院40%),2002年で13件(地域センター8%,協力病院54%)であった。主な母体搬送理由は切迫早産(2001年25%,2002年22%),前期破水(同10%,16%),妊娠中毒症(同7%,10%)であった。今後の課題として3次医療施設への母体搬送集中傾向を改善するため2次医療機関の機能充実を図る必要がある。
日本母性衛生学会の論文