妊婦末梢血中の胎児由来細胞検出における磁気細胞分離システム(Magnetic cell sorter)の応用

概要

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本実験の目的は, 比較的簡便で効率的である比重遠心分離法とMagnetic cell sorter(MACS)の組み合わせによる胎児由来有核赤血球細胞(FNRBC)選別方法の, 特に妊娠初期における有用性を検証することにある.我々は, 過去に妊娠歴のない正常妊婦(first trimester[n=17], second trimester[n=13], third trimester[n=19]), の末梢血10mlよりnested-PCRの手法を用いてY染色体特異的バンドの検出を行うことで胎児性別の判定を行い, 出生後確認された実際の性別と比較検討を行う盲検的胎児性別判定試験を行った.これら盲検的胎児性別判定試験でのfirst trimesterにおけるsensitivityは81.8%, specificityは100%, positive predictive value(PPV)は100%, negative predictive value(NPV)は75%, second trimesterにおけるsensitivityは50%, specificityは80%, PPVは80%, NPVは50%, third trimesterにおけるsensitivityは63.6%, specificityは25%, PPVは53.8%, NPVは33.3%であった.本法による胎児性別判定試験ではfirst trimesterにおける診断率が高いことから, 妊娠初期における非侵襲的出生前診断法として実用化できる可能性が高いと思われた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
2001-10-01