低温灰化処理におけるクロムの損失
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概要
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低温酸素プラズマ装置は,従来より半導体ウエハー中のフォトレジストの除去や高分子の表面処理に主として用いられていた.しかし,分析試料の前処理のための灰化にも応用できることを知り,特に揮発性元素や化合物の揮散損失がない低温灰化装置として急激な普及を見せている.しかし,その後低温灰化装置を用いる経験とともにいくつかの元素や化合物において揮散損失の事実が見いだされてきつつある.その中でもクロムにおいて著しい揮散損失があることが著者らの回収率やX線回折による結晶形態確認実験によって明らかとなった.クロムの添加回収実験では灰化時間の経過とともに減少している.又,三二酸化クロムを低温灰化処理した後,X線回折計によってX線回折図形をとると三酸化クロムの生成が確認された.これが揮散損失の原因物質の一つであると考えられる.しかし,800℃のマッフル炉灰化によるものにはX線回折図形上からは全く変化は認められなかった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1976-09-10
著者
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