酢酸エチル抽出/微分パルスポーラログラフィーによるセレン(IV)及びテルル(IV)の高感度定量(<特集>超微量分析のための前処理と予備濃縮)
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概要
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電解セル中で,一定量の水溶液に酢酸エチルを加えて窒素を通じると乳濁することを見いだしたので,これを利用する非水溶媒抽出/微分パルスポーラログラフィーを開発した.あらかじめ水相(4.0cm^3)中でSe(IV)及びTe(IV)をジエチルジチオカルバミン酸錯体とし,これに支持電解質として0.1mol dm^<-3>過塩素酸テトラブチルアンモニウムを含む酢酸エチル溶液1.0cm^3を加え,窒素を5.0分間通じて溶媒抽出した. 分相後,三電極を酢酸エチル相(粘性係数5.05mP,比伝導度0.25mS cm^<-1>)中に直接差し込んで微分パルスポーラログラフ測定することにより,7.5〜50ng cm^<-3>Se(IV)及び10.0〜100ng cm^<-3>Te(IV)を同時に定量できた.検出限界は両者共に5.0ng cm^<-3>であった.Se(IV)を定量する場合,あらかじめ試料溶液のpHを3.0〜3.5として陽イオン交換樹脂IR-120Bに通すと,ほとんどの妨害金属イオンを除去できることから,この分離操作法をNBS標準試料SRM1566Oyster Tissue中のSeの定量に適用して満足すべき結果を得た.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1987-11-05
著者
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