3,4-ジヒドロキシアゾベンゼンを用いるモリブデン(VI)の溶媒抽出-吸光光度定量
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概要
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3,4-ジヒドロキシアゾペンゼン(DHAB)を用いる微量のモリブデン(VI)の抽出吸光光度定量法を確立し,標準鉄鋼試料中のモリブデンの定量に応用した.DHABは酸性溶液でモリブデン(VI)と反応して赤紫色の錯体を生成し,ニトロベンゼンに抽出される.抽出錯体は550nmに吸収の極大を持ち,その組成比は水相のモリブデン(VI)濃度を2×10^<-6>M,ニトロベンゼン相のDHAH濃度を(2×10^<-4>〜1×10^<-3>)Mとした場合にモリブデン(VI):DHABが1:2と推定された.検量線は水相のモリブデン(VI)量7.7μg/20ml程度までベールの法則に従う.550nmにおけるモル吸光係数は1.07×10^5cm^<-1>mol^<-1>lとなり極めて高感度である.鉄(III)及びタングステン(VI)が妨害するが,これらはそれぞれアスコルビン酸及びフッ化ナトリウムを用いることによりマスキングできる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1980-07-05
著者
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