ろ紙法による大気中微量アンモニアの定量法
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概要
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環境大気中に存在する数ppb程度のアンモニアの簡易定量法を検討した.採気方法は,ガス捕集面積17.3cm^2を有するガラス繊維ろ紙に3%ホウ酸-20%グリセリンの混合溶液を塗布したもの,又は8.6%シュウ酸-50%グリセリン混合溶液を塗布したものをろ紙ホルダーに装着し,吸引ポンプに直結し,20 l/minの流量で吸引して,大気中の微量アンモニアを捕集する.採気の終わった捕集ろ紙は,イオン交換精製水20mlでろ紙よりアンモニアを抽出し,その一定量を分取して,フェノールー次亜塩素酸ナトリウムによって生成する青色のインドフェノールを直接640nmで吸光度を測定し定量する.ホウ酸及びシュウ酸ろ紙ともアンモニアの捕集率は,毎分20 lの通気流量でほぼ100%の効率を示し,水による捕集ろ紙からのアンモニア抽出も100%の効率で抽出回収された.環境大気中測定可能なアンモニアガスの最小濃度は,インドフェノール法によるアンモニアの検出限界が0.38μgNH_3/10mlであることから,ガス捕集面積17.3cm^2を有するろ紙を用いた場合,大気を20 l/min,1時間採気で0.84ppbまでの大気中アンモニアの測定が可能である.これは,従来よりのインピンジャー法による1時間の大気の採気では16.7ppbが定量限界であることから,インピンジャー法に比し,ろ紙法では約20倍定量限界値が低くなり,ろ紙面積を更に大きくすればより微量の大気中アンモニアの定量が可能となる.本法では,捕集効率が優れ,捕集及び分析操作が簡便,迅速であり,しかも高感度で,その変動率も5.3%の分析精度であった.又,試料の運搬を容易とし,かつ長期間保存しても,試料の損失は認められなかった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1979-11-05
著者
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川田 邦明
新潟県公害研究所
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貴船 育英
新潟県公害研究所
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貴船 育英
新潟県保健環境科学研究所
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川田 邦明
Niigata Prefectural Research Laboratory for Health and Environment
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岩谷 美江
新潟県公害研究所
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