ガスクロマトグラフィーによる水,底質中の微量グリオキサールの定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水,底質中の微量のグリオキサールを塩酸酸性の条件で4-クロロ-o-フェニレンジアミンと反応させ,6-クロロキノキサリンに誘導し,電子捕獲型検出器(ECD)付きガスクロマトグラフィーにより定量する方法を検討した.塩化ヒドロキシルアンモニウムを試料に添加することにより,河川水,工場排水及び底質中の微量のグリオキサールの定量が可能であることが分かった.水試料の場合は,試料水(100ml)に塩化ヒドロキシルアンモニウム1g,塩酸10ml,4-クロロ-o-フェニレンジアミン5mgを加え,90℃で1時間加熱後,ペンゼン40mlで2回抽出した.ベンゼン抽出液は,無水硫酸ナトリウムで乾燥後,必要に応じて希釈又は濃縮し,ガスクロマトグラフ(GC)で定量した.底質試料の場合は,湿潤状態の試料(20〜30)9に塩化ヒドロキシルアンモニウム1.5g及び精製水150mlを加えて150分間振とう後濾過し,濾液100m1について水試料に準じ定量操作を行った.分離カラムには,80/100メッシュのガスクロムQにジエチレングリコールサクシネート(DEGS)を2%コーティングした充てん剤を内径3mm,長さ2mのガラスカラムに充てんしたものを用いた.精製水,河川水,工場排水及び底質を用いて添加回収実験を行ったところ,回収率は水試料では(91〜99)%,底質試料では89%と良好であった.本法による定量下限値は,水試料で1 ng/ml,底質試料で0.02μg/gであった.本法を水道水,河川水,工場排水及び河川底質中のグリオキサールの測定に応用し,ppbないしppmレベルのグリオキサールを定量した.分析精度は変動係数(1.1〜7.6)%であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1980-08-05
著者
関連論文
- 活性炭素繊維ろ紙捕集-GC/MS法による大気中の農薬の一斉分析
- 高分離能ガスクロマトグラフ/高分解能質量分析計を用いる大気中農薬の高感度及び高選択的測定
- キャニスターを用いた大気中揮発性有機化合物の測定における減圧採取法と加圧採取法の比較
- 3I06 有害大気汚染物質の長期間サンプリングについて : ろ紙法での重金属測定の観点から
- 大気中及び降下農薬の捕集方法の開発とその環境試料への応用
- Tenax GC捕集剤における有機化合物類の破過容量
- 常温吸着ガスクロマトグラフ法による大気中微量二酸化イオウの定量法
- 工場から発生するアルデヒド類および有機溶剤類の測定 (特集 地方公的研究機関における調査研究)
- ガスクロマトグラフィーによる水,底質中の微量グリオキサールの定量
- ガスクロマトグラフィーによる魚肉中のトリブチルスズ及びトリフェニルスズ化合物測定のための試料前処理法の検討
- ガスクロマトグラフィー(ECD)による土壌及び底質中の低沸点有機塩素化合物類の定量
- ろ紙法による大気中微量アンモニアの定量法
- 新潟県内工業地域における環境大気中低沸点有機塩素化合物濃度の経年変化