ビスムチオールIIによるヒ素(V)の吸光光度定量
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概要
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ヒ素(V)は塩酸酸性溶液中でピスムチオールIIと反応し,クロロホルムに抽出可能な淡黄色沈殿を形成する.この反応を利用する微量ヒ素(V)定量の基礎的条件を検討した.ヒ素試料溶液に適量の塩酸及び0.1%試薬溶液を加えて,約(3〜4)M塩酸酸性溶液(約30ml)とし,生成した呈色錯体をクロロホルムで抽出する.クロロホルム中の過剰の試薬をリン酸二水素カリウム-ホウ酸ナトリウム緩衝溶液(pH 7.5)で洗浄,除去した後,吸光度を吸収極大波長335nmで空試験液を対照として測定する.検量線はヒ素50μg/10mlまで直線性を示し,この波長におけるモル吸光係数は1.62×10^4l mol^<-1> cm^<-1>であり,5回の繰り返し実験による標準偏差はヒ素20μg/10mlの濃度で0.52%であった.共存イオンの影響については,アルミニウム(III),カドミウム(II),コバルト(II),マンガン(II),ニッケル(II),鉛(II),亜鉛(II),リン酸イオンは多量共存しても妨害しないが,クロム(VI),モリブデン(VI),白金(IV),セレン(IV),テルル(IV),バナジウム(V)は妨害する.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1978-07-05
著者
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