1-ピロリジンカルボジチオ酸アンモニウムによる微量クロム(VI)の紫外吸光光度定量
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概要
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1-ピロリジンカルボジチオ酸アンモニウム(APDC)を用い,主に塩酸溶液中における微量クロム(VI)の紫外吸光光度定量の基礎的条体を検討した.クロム(VI)はAPDCと反応し,(0.4〜2.4)M塩酸溶液中で加熱すると波長225と265nm付近に吸収極大を持つ可溶性錯体を生ずる.この溶液を沸騰水浴中で(2〜2.5)分加熱すると,過剰の試薬のみが分解し,測定波長265nmにおける試薬ブランクの大きな吸収は消去され,錯体の吸光度を測定することができる.見掛けのモル吸光係数は3.17×10^4mol^<-1>cm^<-1>で,クロム(VI)35μg/25mlまでの範囲でベールの法則に従う.5回の繰り返し実験による標準偏差パーセントはクロム(VI)15μg/25mlの濃度で0.6%である.又,この錯体は(0.2〜0.8)M過塩素酸,(0.2〜6.0)Mリン酸,(0.4〜1.2)M硫酸溶液中でも波長225nmと265nm付近に吸収極大を示す可溶性錯体を生じ,塩酸溶液の場合と同様にクロム(VI)を定量することができる.
- 1976-12-10
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