協同抽出を利用する天然水中の超微量成分の予備濃縮/黒鉛炉原子吸光分析(<特集>超微量分析のための前処理と予備濃縮)
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概要
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協同抽出を利用して天然水中のCd,Mn,Pb,Cu及びCoを捕集分離し,黒鉛炉AAS定量するための基礎的条件を検討した.協同抽出試薬として低濃度(1mM程度)のモノチオテノイルトリフルオロアセトンとトリオクチルホスフィンオキシドを用い,アルカリ及びアルカリ土類元素など,天然マトリックス成分から微量金属を定量的に分離濃縮できた.この抽出液を直接黒鉛炉に供試し,メモリー効果の少ない再現性の良いシグナルを得,迅速,簡単,高感度なAASを確立した.付加錯体のAASへの適用は,灰化過程で金属の揮散防止,黒鉛炉内での酸化物生成の抑制,熱接触面積の拡大などの相乗効果を生ずると考えられ,干渉抑制と同時に増感効果も認められた.本法を河川水の分析に応用し,少量の試料を用い,相対標準偏差10%以内で各金属の高感度定量が可能であった.
- 1987-11-05
著者
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山本 善一
金沢大学工学部物質化学工学科
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上田 一正
金沢大学工学部物質化学工学科
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北原 俊
金沢大学工学部物質化学工学科
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久保 勝寿
金沢大学工学部物質化学工学科
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山本 善一
金沢大学工学部工業化学科
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