市販水質標準液VOC23成分の相対評価について
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概要
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市販されている水質標準物質(揮発性有機化合物類, 23成分)については, 飲料水質分析や, 公定法で定められた水質基準や排水基準の分析に非常に大量に利用されている.しかし, この品質については各々のメーカーが独自に管理を行っており統一した規格は定められていない.本報告では, これらの試薬について各メーカー間での相違について相対的な比較を行い, 品質管理を評価するための分析方法について検討を加えた.分析には, キャピラリーカラムGC-FIDを用い, 試料注入法としてスプリット注入, ダイレクト注入, パージトラップ法を用いた.試薬内に含まれる1,1,2-トリクロロエタンを基準として相対感度を比較した結果, 各メーカーの試薬間での違いは測定誤差の範囲内であった.分析法についてはクロマトグラム上で溶出が遅い1,1,2-トリクロロエタンと異性体で溶出が早い1,1,1-トリクロロエタンの感度を比較することで測定が適正に行われたかどうかを確認できた.この評価方法は, 希釈操作の際に生じる誤差を含む分析操作全体の評価にも利用可能である.相対的な比較では各メーカー間の試薬に差は認められなかったが, 今後絶対値の評価について検討する必要がある.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1997-01-05
著者
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前田 恒昭
電気化学計器
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前田 恒昭
独立行政法人産業技術総合研究所計測標準研究部門有機分析科
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久本 泰秀
(株)日立製作所計測器事業部
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安藤 正典
厚生省国立衛生試験所環境衛生化学部
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安藤 正典
国立衛生試験所環境衛生化学部
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安藤 正典
厚生省国立衛生試験所
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久本 泰秀
日立
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