テトラチオシアナトコバルト(II)酸錯体と非イオン界面活性剤とを金属指示薬とする迅速キレート滴定法
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概要
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コバルトのキレート滴定法によく使われるほとんどの金属指示薬は, 他の重金属があるとプロッキング妨害を受けやすい.チオシアン酸-アセトンを用いた古い方法は共存重金属の妨害が少なく, 終点における色変化も大変見やすいが, 不快臭のあるアセトンを多量に使うという大きな欠点がある.そこで著者らは揮発性の高いアセトンの代わりに, 少量の非イオン界面活性剤(Triton)を加えることにより同じ色変化を起こさせて, 定量したい重金属の総量よりも過剰に加えたedtaをコバルト(II)で逆滴定する方法と, コバルトをedtaで直接滴定する方法とを確立した.すなわち重金属を含む試料溶液に過剰のedta, 酢酸アンモニウム, チオシアン酸カリウム, Triton X-100とを加え, 5mlミクロビュレットから0.01Mコバルト(II)溶液を滴下し, ピンク色が急に青みを帯びるまで逆滴定する.又, Triton X-405を用いれば, コバルト(II)を同様にして0.01M edta溶液で直接滴定でき, この場合の終点における色変化は, 青からピンク色である.両方法とも, 数多くの試料をセミミクロのスケールで迅速滴定するのに適している.アルカリ土類金属の妨害と, それらのマスキング剤についても調べた.
- 1996-03-05
著者
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