可溶性メンブランフィルターを用いる水中の微量ニッケルの濃縮分離 : 吸光光度定量
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概要
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水中の微量ニッケルを溶媒可溶性メンブランフィルターを用いて, 簡便に濃縮して吸光光度法で定量する方法について検討した.微量ニッケル(II)はpH9〜10でN, N-ジエチルジチオカルパミン酸と錯体を形成し, この錯体は硝酸セルロース製のメンブランフィルター(MF)に吸引濾過により捕集できた.フィルターごと錯体をジメチルスルホキシド(DMSO)5cm^3に溶解し, 空試験液を対照で325nmにおける吸光度を測定してニッケル(II)を定量する.検量線はニッケル(II)0.1〜10μgの範囲で良好な直線性を示した.ニッケル(II)3μgでの繰り返し精度は3.2%(n=6)であった.最大の濃縮倍率は200倍であった.銅(II)が共存すると妨害するが, ニッケル(II)3μgに対し90μgまでの銅(II)が共存するとき, 銅(I)に還元してチオシアン酸錯体としてMFで吸引濾過して銅(II)を除いた濾液について定量操作を行うことで除去できた.本法を水中の微量ニッケル(II)の定量に適用し満足する結果が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1995-08-05
著者
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