黒鉛炉原子吸光法による鉛散弾粒中の微量不純物の定量
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概要
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散弾粒の一部を酸に溶解した後, これに含まれる微量のCu, Ag及びAsを, Pbから分離することなく直接黒鉛炉AASで定量する方法を確立した.灰化温度と吸光度の関係に対するPbの影響を調べた結果, Cuは灰化温度500℃で, Agは400℃でそれぞれ共存するPbの影響が最小となった.この条件では, 200μg ml^<-1>以下のPbが溶液中に共存してもPbによる干渉は確認されなかった.Asについては, 1)Pd+アスコルビン酸と2)Niの2種類のマトリックス修飾剤を比較した結果, 前者を用いた場合には共存するPbによって負の干渉を受けるのに対し, 後者を用いた場合には500μg ml^<-1>以下のPbが共存しても干渉を受けないことが確認された.本法をNBSの標準試料の分析に応用したところ, いずれの元素も良好な回収率を示した.更に実際の散弾粒に含まれるCu, Ag及びAsの定量を行った結果, 本法による分析値の繰り返し誤差は製造ロットの違いによる含有量の相違と比較して十分に小さく, 従って, 製造ロットの異なる散弾粒について本法をその識別に応用することが可能であった.
- 1993-07-05
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