水溶性アゾ染料イオンの水-有機溶媒混合媒体中における光吸収変化とエタノールの吸光光度定量への応用
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概要
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3種類の水溶性アゾ染料(陰イオン染料と2種類の陽イオン染料)の光吸収変化を水-アルコール混合溶媒中で調べた.最も大きな光吸収変化を示す染料はメチルオレンジ系染料であり, アルコール含量の増加と共に, 吸収極大波長はブルーシフトし, 短波長測の吸光度が増大する.なかでも, 疎水性の大きい基をもつブチルオレンジが最も鋭敏な吸光度変化を示す.この吸収変化は, 染料イオンの周りの微細環境が親水性場から疎水性場へ変化することによるものであり, 親水性場では次式の(A)の極限構造をとりやすく, 疎水性場では(B)の構造をとりやすいためと考えられる.[chemical formula]分析的応用としては, 長波長側の吸光度減少, 短波長側の吸光度増加を利用すればアルコールの定量が可能である.プロピルオレンジを用い, 420nmの吸光度の増加を利用するエタノールの定量法がFIA法へ応用された.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1990-04-05
著者
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