弱酸性溶液において生成するベリリウム-クロムアズロールS錯体の吸光光度法による検討

概要

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ph6以下で, ベリリウムは, その過剰の存在下で, クロムアズロールS(CAS, H_4L)と1 : 1錯体と2 : 1錯体を, 又, 過剰のCASの存在下では, 1 : 1錯体と1 : 2錯体を逐次生成する.従来この1 : 1錯体の生成は明らかでなかったが, 本研究でそれを確認した.1 : 1錯体及び2 : 1錯体は, pHの増大と共に加水分解してヒドロキソ錯体を生成した.しかし, 1 : 2錯体のヒドロキソ錯体は生成しなかった.これは, ベリリウムイオンの配位数が4のためであると考えられる.なお従来は, 2 : 1錯体及び2 : 1ヒドロキソ錯体は, それぞれ1 : 1錯体及び2 : 2錯体などとされていた.過剰のCAS存在下(1.2×10^<-3>mol dm^<-3>)pH5.7で, 主に生成する1 : 2錯体を利用して, 0.04〜0.4ppmのベリリウム吸光光度定量した(見掛けのモル吸光係数4.0×10^4dm^3mol^<-1>cm^<-1>).ゼフィラミン存在下, pH6以下で生成するベリリウム-GAS錯体についても, 検討を行った.
社団法人日本分析化学会の論文
1990-02-05