p-ニトロベンズアルデヒドを発色試薬とする光依存性発色反応による血清総グロブリン濃度の定量
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概要
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芳香族アルデヒドは光照射下で血清グロブリンと反応し, 発色体を生成する.この反応はp-ジメチルアミノベンズアルデヒドを用いた血清総グロブリン濃度の測定法として応用されているが, 反応時間は45分と長い.そこで, 反応時間を短縮したより実用な測定法を設定するため, 8種類の芳香族アルデヒドと血清グロブリンとの反応について検討し, このタンパク質の測定に適する発色試薬の選定を行った.反応速度, 生成する発色体の吸収極大波長及び見掛けの分子吸光係数はベンズアルデヒドに結合した置換基(p-NO_2, m-NO_2, p-OCH_3, m-OCH_3, p-CH_3, p-Cl, p-N(CH_3)_2, p-OH)の求電子的置換基定数と関係があった.反応速度は置換基にm-NO_2やp-NO_2を有する芳香族アルデヒドで最も大きく, p-ニトロベンズアルデヒド(p-NITBA)と血清グロブリンとの反応は3000ルクスの光照射条件下では, 約20分間で完了した.p-NITBA試薬とγ-グロブリンの反応で生成した発色体は600nm付近に吸収極大波長を示し, 見掛けの分子吸光係数は2.15×10^8mol^<-1>cm^2であった.p-NITBA試薬で得られた患者血清の測定値(n=100)はビウレット法とブロムクレゾールグリーン法の組合せ法及びGoldenbergらの方法で得られた血清総グロブリン濃度とr=0.967及びr=0.990の相関を示し, この試薬が血清総グロブリン濃度の測定に応用できることが分かった.本法は10μlの微量血清で実施でき, 同時再現性(n=10)はRSD=2.3%以内であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2001-10-05
著者
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