樹木の立ち枯れ調査の簡易分析方法
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概要
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樹木の立ち枯れは, 大気汚染による雨の汚染物質が, いかに希薄でも, 樹木の葉や樹皮やその根元の土壌に付着して, 濃縮と蓄積を繰り返し, 許容限度を超えて起こる. 針葉樹は, 葉や樹皮の多くの空間に, 広葉樹の2〜5倍の水滴を付着させ, その分, 汚染物の一つの硫酸イオンの濃度は3〜8倍に濃縮, 蓄積し, 次の雨で根元に洗い落とし, 葉から根まで酸性の環境で生活する. 海岸の枯れていたマツは, 葉の根元の繊維で束ねられているところに, 塩化物イオン1780mg/dm^3, 硫酸イオン135mg/dm^3(10g/25g水)も濃縮されていた. これらが共存すると, 塩素を発生して細胞を破壊したと考えられる. 硫酸は, 土壌中で最もアルミニウムを溶出し, リン酸と結合し, リンの供給を止めて成長を妨害し, まず, 梢枯れを起こし, 次に枯死に至ると考えられる. 樹木の葉, 樹皮, 根元の土の硫酸イオンを定量することで, 樹木の枯れた原因を知ることができる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2001-06-05
著者
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