逆相高速液体クロマトグラフィーの溶離液成分としての脂肪族アルコール類
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概要
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逆相HPLCの溶離液に用いられている種々の有機溶媒の中でCH_3CNやCHCl_3などの塩素系有機溶媒は, 廃液処理費が高いだけでなく, 環境への負荷も大きい. そこで本研究では, CH_3CN-水系と環境への負荷の小さいCH_3OH-水系溶離液を用いて, 多環芳香族の分離挙動を調べた. その結果, カラム圧はCH_3CN-水系が低かったが, 同一流量でのカラム効率は同等であった. しかし, 分離係数調節用の第3成分としてのアルコール類やCHCl_3の溶解度は, CH_3OH-水系のほうが大きく, 分離を調節しやすいことが分かった. 又, 第3成分としてCHCl_3と炭素数2〜10の脂肪族アルコール類を比較検討した結果, 炭素数6以上のアルコールを用いるとCHCl_3と同様に分離係数の調節が可能であった. ナフタレン誘導体のアルコール, カルボン酸, アミンの分離挙動についても検討したが, CHCl_3と高級アルコールに有意差はなかった. 以上の結果からCH_3CNの代替溶媒としてはCH_3OHが, CHCl_3の替わりには炭素数6以上のアルコール類が有望であることが明らかになった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1998-09-05
著者
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小川 恵美
北陸大学薬学部薬品分析学教室
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山崎 満
北陸大学薬学部
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山崎 満
北陸大学薬学部薬品分析学教室
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一ノ木 進
北陸大学薬学部
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石崎 淳子
北陸大学薬学部薬品分析学教室
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樫原 まゆみ
北陸大学薬学部薬品分析学教室
-
一ノ木 進
北陸大学薬学部薬品分析学教室
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