吸光検出逆相イオン対高速液体クロマトグラフィーによる飲料水中の微量アルミニウムの定量
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概要
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本研究では,飲料水中に含まれる微量アルミニウムの分離定量法の開発を目的として,5-スルホ-8-キノリノール(HQS)を錯形成試薬として用いた逆相イオン対HPLCについて諸条件の検討を行った.Al-HQS錯体の保持に及ぼす溶離液組成の影響を調べた結果に基づいて,分離度,分析時間,ピーク対称性から溶離液組成を決定した.溶離液にはAl-HQS錯体の分解を抑制するためにHQSを0.3mM添加した.検出波長254nm,試料注入量100μlにおけるAl-HQS錯体の検量線は,0.5ppbから100ppbの範囲で良好な直線関係を示し,検出限界は0.05ppbであった.操作をすべてクラス100のクリーンルームで行ったことで実験室環境からのアルミニウム汚染を最大限に排除し,非常に高精度なアルミニウムの定量が可能となった.また,水道水及び市販のミネラルウォーター中のアルミニウムの定量を行ったところ,絶対検量線法及び標準添加法いずれによってもほぼ一致した値が得られ,本法を用いることにより飲料水中のアルミニウムの定量が可能であることが明らかになった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2003-09-05
著者
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渋川 雅美
日本大学生産工学部応用分子化学科
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渋川 雅美
埼玉大学大学院理工学研究科
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渋川 雅美
日本大学生産工学部
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岩野 真希
日本大学生産工学部応用分子化学科
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平野 愛弓
日本大学生産工学部応用分子化学科
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西垣 敦子
日本大学生産工学部応用分子化学科
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平野 愛弓
Division Of Neurophysiology National Institute For Medical Research
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岩野 真希
日本大学生産工学部応用分子化学科:(現)株式会社エムシー・ヒューマンリソース
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