大脳中の細胞外情報伝達物質を対象とする分子センシング法の開発と急性脳スライス内その場測定への応用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
脳内の神経伝達において重要な役割を担っている細胞外情報伝達物質のL-グルタミン酸及びアラキドン酸に対するセンシング法の開発と,急性脳スライス内でのその場検出への応用について,著者らの最近の研究を中心に総説として著した.ガラスキャピラリーの毛管現象を利用したL-グルタミン酸微小センサーでは,急性スライスにも適用可能な小さいサンプリング体積と高感度検出との両立を示した.グルタミン酸オキシダーゼと西洋わさびペルオキシダーゼから成る酵素膜に基づくイメージングでは,差分解析と組み合わせることにより,L-グルタミン酸の海馬内領野間分布を時間依存的にイメージングすることに成功した.また,アラキドン酸-細胞膜相互作用を利用することにより,アラキドン酸に対するその場センサーを構築した.これらのセンサーについて,原理,感度,ダイナミックレンジ,選択性,急性スライスに応用する際の問題の点から考察し,急性脳スライス内の細胞外情報伝達物質のその場検出法として有用であることを示した.
- 2006-08-05