キャピラリー電気化学センサーの開発と応用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
先端直径0.5〜10μm のガラスキャピラリーを用いる超微小電気化学センサーについて,著者らの最近の研究を中心に総説として著した.新しい機能を持つキャピラリー電極を開発するための著者らのアプローチには,平面脂質二分子膜及び生体膜センサーとともに,オープンキャピラリーを用いる微小センサーも含む.キャピラリー電極は,ガラス管をマイクロピペットプラーで引いて作製し,脂質二分子膜及び生体膜センサーは,tip-dip法法及びパッチクランプ法によって作製した.オープンキャピラリーセンサーでは,動電的サンプリング能を持つ超微小電極を開発し,電荷選択的にイオンを検出できることを示した.この電極では,不安定イオンを電極内へサンプリングして安定な条件で検出することができる.また,脂質二分子膜を用いる超微小キャピラリーセンサーとして,G タンパク型レセプターをモデルにする新しい作動原理のイオンチャンネルセンサーを開発した.生体膜センサーとしては,アラキドン酸に応答する超微小生体膜センサーを開発し,このセンサーがほかの脂肪酸やアラキドン酸代謝物には応答せず,アラキドン酸に選択的であることを見いだした。グルタミン酸レセプターを含む脂質二分子膜及び生体膜を用いるグルタミン酸センサーについても記述した.これらのセンサーについて,原理,感度,ダイナミックレンジ,選択性の観点から考察を行った.また,マウス脳スライス内の情報伝達にかかわるイオンや分子の局所濃度の検出法に応用し,超微小電気化学センサーとして有用なことを示した.
- 2002-12-05
著者
関連論文
- キャピラリー電気化学センサーの開発と応用
- 膜を用いる分子センシング法の新展開-バイオ及びバイオミメティックシステムからのアプローチ-
- 研究紹介
- 膜を用いるイオン・分子認識の新しいアプロ-チ (情報交換機能)
- 生体膜機能に学ぶセンシング化学
- アビジン修飾ガラス基板の作製と安定性の比較(機能性界面と分析化学)
- Design and Application of Ion-Channel Sensors Based on Biological and Artificial Receptors
- Potentiometric Responses of Polymeric Liquid Membranes Based on Hydrophobic Chelating Agents to Metal Ions
- Nitrogenous Synergists Induced Potentiometric Response to Metal Ions with Polymeric Liquid Membranes Containing Thenoyltrifluoroacetone as an Ionophore
- Potentiometric Responses of Ionophore-Incorporated Bilayer Lipid Membranes with and without Added Anionic Sites
- Concentration of Dopamine by Proton-Driven Uphill Transport Using Lasalocid A as the Carrier
- 蛍光リポソームアレイを用いた新規イムノアッセイ法
- 分析化学と学際領域
- 生体分子計測法の高度化と応用
- 新・楽しい化学の実験室(7)酵素膜プレートを用いて、糖を色で測る
- A Surface Plasmon Resonance Sensor for Substance P Using Gold-Modified Calmodulin and Melittin
- 毛管作用に基づく超微小ガラスキャピラリーセンサーの開発と哺乳類大脳内のグルタミン酸濃度測定への応用
- BIO REVIEW DNA損傷の高感度検出
- Analytical Sciences 誌の発展のために
- レセプターを包埋した脂質二分子膜を用いる化学センシング法の基礎研究
- レセプタ-蛋白に基づく化学センシング--生理適合性を有するアゴニスト選択性の評価法
- 膜を用いるイオン・分子認識の新しいアプローチ
- 生物電気化学分析法-2-生物電気化学分析の手法の基礎