アゾ色素生成反応を利用した大気中のガス状塩化物の比色定量法
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概要
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硝酸塩に硫酸を加えて生じるニトロイルイオンは塩化物イオンが共存すると還元されてニトロシルイオンになる. これを芳香族アミンと反応させジアゾニウムイオンとする. この化合物の吸光光度定量を行って,大気中のガス状塩化物の間接定量法を検討した. 大気中の塩化水素ガスを捕集した試料溶液を塩化物イオンの揮散損失を防ぐために中性から微アルカリ性に保ち,硝酸ナトリウムを加えて蒸発乾固する. これに一定量のスルファニル酸-硫酸溶液(1 ml)を加えてジアゾニウムイオンを生成させた後,N-(1-ナフチル)エチレンシアミン二塩酸塩を加えて生成する新しいアゾ化合物を吸光光度定量するものである. なお,大気中に共存する二酸化硫黄に起因する亜硫酸イオンは50μgまで妨害を示さない. 二酸化窒素に起因する亜硝酸イオンは正の妨害を示すが,弱酸性下でエタノールを添加することによりその500μgまでの影響を除去できた. 本法による検出限界は1μg(S/N=2)であり,その標準偏差は士O.1μg(n=6)であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1983-05-05
著者
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