フロッピーディスクを使用した^1H-FT-NMRによるPBLG溶液のコイル-ヘリックス転移に伴う側鎖の動的測定
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概要
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数秒以上の時定数を有する動的現象を,^1H-FT-NMRで研究する簡易な方式として,フロッピーディスクドライブ(FD)を採用し,このために適したインターフェイス回路を構成した.この装置は1個のフリーインダクションディケイ(FID)(4096words)を約0.5秒でFDに転送しうるので,通常の化学シフト範囲(10ppm)と分解能(0.5Hz/Point)を有するスペクトルを,1回の測定で最高2.5秒ごとに,計25回サンプリングすることができる.この装置で,クロロホルムd_1-トリフルオロ酢酸d_1混合溶媒中における,ポリ-γ-ベンジル-L-グルタメート(PBLG)の,コイル-ヘリックス転移に伴う側鎖の挙動を研究した.主鎖のα-CHシグナルの速い消失と,側鎖べンジルCH_2シグナルの緩やかな半値幅の増加が観測され,その結果このコイル-ヘリックス転移において,まず主鎖が速やかに会合し,次いで側鎖がカルボニルの会合を介して徐徐に配向することが明らかになった.又,溶媒であるトリフルオロ酢酸の顕著な半値幅の減少とピークの高さの増加を観測した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1977-01-10
著者
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