画像データベースシステムにおけるユーザー・インターフェース
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概要
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画像データベースにおいては,画像の内容が,何らかの意味において検索にかかわりを持っている場合が多いことは言うまでもない。この点を考えれば,画像データベースの理想的なあり方は,データとして画像と画像からひきだせない属性のみ(例えば取得年月日)を保持し,利用者が,画像内容についての検索を行う時は,検索したい対象物(部分)のスケッチなどを入力することによって検索が行なわれるという『画像の画像による検索』が可能なことである。このようなシステムを実現するためには,画像が何を表現しているかを知る必要があり,この件に関しては画像理解等の名の下に現在研究が行なわれているが,実用的な段階に至っているとは言えない。逆に,人間が画像から抽出した情報をコード化してデータベースを構築する際に登録し,属性のみによって検索する方法が考えられる。この方法は,現在,実用化されている文字データ用のシステムと何ら変わるものではなく,直ちに実現されうるが,画像が持っている情報をすべてコード化して持つことは不可能であるため画像の特性を十分に活かしきることができない。すなわち,画像データベースに期待される役割を十分果たすものではない。さて,『画像の画像による検索』と『属性のみによる検索』の中間的な方法として『属性と画像の組合せによる検索』を考えてみたい。これは属性による検索によって,ある程度の数までに絞った候補の画像をディスプレイ上に表示し,人間が実際の画像を見ながら,更に検索を進めて行くという方式である。つまり,属性として表現しきれなかった情報については,人間の力によって画像の理解と検索を行なおうとするものである。実現可能なシステムとしては,このあたりから画像データベースシステムの構築を始めることが適当であると考えられる。本稿では,『属性と画像の組合せによる検索』を用いた画像データベースシステムを作成するに当たって,目視によって検索を行なう部分に要求される機能,およびそのために必要な画像の形態について考察する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01
著者
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佐藤 真知子
日本アイ・ピー・エム(株)東京基礎研究所
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佐藤 真知子
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所 東京工芸大学工学部(現)
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井岡 幹博
日本アイ・ビー・エム株式会社、サイエンス・インスティチユート
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井岡 幹博
日本アイ・ピー・エム(株)東京基礎研究所
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井岡 幹博
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
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