物理法則に基づいた定性的推論
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概要
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人工知能の目標の1つに、人間に近い能力を持ったコンピュータの実現がある。しかし、このためには人間の種々の能力をコンピュータ上に実現しなくてはならない。そのような人間の能力の1つに「理解」する能力がある。人間の多くの能力、問題解決や学習などは理解した上で行なわれていると考えられ、コンピュータに問題解決や学習を行なわせる場合も対象領域を理解する能力を実現した上で行なうべきであろう。コンピュータが対象とすると思われる領域の中で、物理の世界は、応用上重要な対象領域の1つであると考えられる。物理の世界での理解の第1歩は、ある時刻の物の関係を把握できること、及び次の時刻で何が起きるかを予想できることと考えることができる。ここでは、コンピュータに物理の世界を理解させる研究の第1ステップとして、物理法則に近い知識を使い、与えられた初期情報から物理システムの状態の時間的遷移を推測する推論システムについて考える。人間が物理の世界を究極的に理解しようと思ってもquarkの世界以降、まだ説明がつけられていないので究極的に理解することはできない。ここでは理解のレベルを物理の教科書などに書かれている物理法則に留め、本推論システム(以降Qupras:Qualitative Physical Reasoning System(仮称)と呼ぶ)は、物理法則に基づいて(1)物理システムを構成するオブジェクト(物)間の関係、(2)次の時刻に系全体として何が起こるかの状態の遷移、を推測する。Quprasは、(1)物理法則、(2)オブジェクト(物)、の2つの知識を使って、定性的推論を行ないながら、オブジェクト間の関係や状態の遷移を推測する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01
著者
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古川 康一
(財)新世代コンピュータ技術開発機構
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古川 康一
Icot
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古川 康一
新世代コンピュータ技術開発機構
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大木 優
財団法人 新世代コンピュータ技術開発機構
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古川 康一
財団法人 新世代コンピュータ技術開発機構
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大木 優
新世代コンピュータ技術開発機構
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