モーバイルオブジェクトシステムPLANETにおける分散協調処理のための通信機構

概要

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インターネットに代表される広域ネットワークの急速な普及に伴い, ローカルネットワーク環境と広域ネットワーク環境を前提とした分散協調アプリケーション構築を支援するシステムが強く求められている。我々は, ローカルネットワーク環境と広域ネットワーク環境をシームレスかつスケーラブルに接続することを目指したモーバイルオブジェクトシステムPLANETの研究開発を進めている。従来の分散システムの多くがメッセージパッシング(RPCを含む)の概念に基づいているのに対し, PLANETでは, データ, ネイティブ・プログラムコードおよび計算の状態(スレッド)を内部に含むモーバイルオブジェクトをネットワーク上で交換および共有可能とし, それらを厳格な保護管理機構のもとで実行可能とする。PLANETにおけるモーバイルオブジェクトは, 他の多くのモーバイルオブジェクトシステムと異なり, CPU-ネイティブコードで実現され, 特定のプログラミング言語とは依存せず, 言語中立的である。オブジェクトの交換は, 分散共有格納庫(Distributed Shared Repository; 以後DSRと略す)と呼ばれる永続オブジェクト空間を介して行うことにより, オブジェクトに分散性と永続性を統一的に与えるというアプローチが採用されている。本稿では, DSRを介したモーバイルオブジェクトの交換を, 厳格なアクセス制御を達成しつつ, 柔軟に行うことを可能にするPLANETのオブジェクトパッシング機構について述べる。
社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

モーバイルオブジェクトシステムPLANETにおける分散協調処理のための通信機構

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