高速並列処理ワークステーション(TOP-1) : 無効化型と更新型のスヌープキャシュプロトコルの共存を許すための機構
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概要
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共有メモリ・共有バス型のマルチプロセッサシステムでは、パスおよびメモリへのアクセスの競合を低減するために、各プロセッサにプライベード・キャッシュ(以下簡単にキャッシュと呼ぶ)を付加するという構成がよく用いられる。この構成では、同一メモリ・ロケイションに対する複数のコピーがシステム中に存在することが許されるので、これら複数のコピーが一致すること(コンシスタンシィ)を保証する方法が問題となる。その中でも特に、複数のコピーのひとつが更新されたときに残りのコピーをいかに扱うかという点に注目すると、既存の方法には無効化と更新のふたつの手法があり、このふたつの手法の優劣は一概に決めることはできない。一方、コンシスタンシィの問題を各キャッシュごとに分散的に制御することにより解決する、スヌープ・キャッシュと呼ばれる方法が近年広まってきている。この方法では集中型の制御方法に比べて各キャッシュごとの制御がローカルに行えるかわり、複雑な制御を必要とする。本稿では、プログラムの実行時に各キャッシュごとに無効化か更新かのいずれかの手法を選択するという、一方のみのときに比べてより柔軟な手法を提唱する。そしてその手法のスヌープ・キャッシュにおける実現のしかたについて論じ、最後に我々の試作したTOP-1における事例について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-03-15
著者
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