記号処理ベクトル化のためのFOL法の効率評価について
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概要
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大規模数値計算に対する要求から, 強力なパイプライン演算器を備えたベクトル計算機が開発され, 実用に供されている。ベクトル計算機はもともと数値計算用として開発されたが, 浮動小数点数だけでなく整数もベクトル処理可能であるために, ソーティングなどの非数値計算に応用する研究もなされている。ベクトル計算機では複数の演算が並列に実行されるので, 一度にベクトル処理する演算は並列に実行可能なものでなければならない。したがって, 記号処理のような並列性を持たない処理はそのままではベクトル処理することはできない。金田はこの点に注目し, 記号処理のような処理もベクトル化する手法としてFOL (Filtering-Overwritten-Label)法を開発した。FOL法を用いると記号処理などもベクトル化できるが, そのために若干のオーバーヘッドを伴う。ではうまくいく場合の計算量がO(N)で, 最悪の場合の計算量がO(N^2)であることが示されている。しかし, ベクトル化したからといって時間計算量のオーダーが改善されるというものではないから, やはり定量的な効率の評価は必要である。本稿ではこの観点からFOL法の一つの評価式を与え, それが実験結果と符合することを示す。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-09-24
著者
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