VR空間における操作可能なアバタの実現
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概要
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我々は、バーチャルリアリティ(以下VR)コンテンツの現実感を増すことを目的として、仮想三次元共有空間におけるアバタこついて研究している。仮想三次元共有空間とは、複数のユーザが共有可能な三次元コンピュータグラフィクスによる仮想的な空間である。このような共有空間を用いたシステムでは、空間内でユーザがお互いの存在を認識するため、あるいはユーザが空間内の自分の位置や他人との関係を客観的に把握するために、個々のユーザの象徴としてアバタを存在させることがある。現在も様々なアバタが存在するが、一般的にユーザの化身と定義され、目的に応じて人間、人形、動物、多角形などで表される。また、アバタの存在する空間は必ずしも共有空間とは限らない。Worlds Inc.の World Chatに代表される仮想空間を共有する複数のユーザの間でのコミュニケーションを目的としたシステムで使用されるアバタは、個々のユーザを識別でき、コミュニケーション手段を有することに重きが置かれ、形状や動きなどは簡略化されているものが多い。一方、JACK[1]に代表されるシミュレーションシステムにおけるアバタは、ユーザの操作に従って迅速、滑らかに動作することが求められているので、見栄えは重視せず関節や可動部分が多いものが多い。また、Velocity Inc.、Chaco Communications Inc.、Worlds Inc.、IBM Inc.が共同で進めているインターネットにおけるアバタの標準規格では、各社の提供する異なった空間で一つのアバタを(姿形だけでなく、振る舞い、認証、個人属性、来歴なども含めて)共有することを目指している。上に示したように既存のアバタは、システム性能の限界のために目的に応じて見栄えとリアルタイム動作の実現性のどちらか優先度の高い方に重きを置いて実現されている。我々は大画面を用いたVRコンテンツを対象として高精細で、インタラクティブに動作するアバタを目指している。本稿では、我々が試作/評価したアバタについて述べる。以下、第2章でアバタの要件について、第3章で我々の提案するアバタの実現方式について、第4章でアバタを利用したVRシステムの試作と評価について述べ、第5章でまとめる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-03-12
著者
-
大樫 仁司
三菱電機(株)情報システム研究所
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伊藤 由樹
三菱電機株式会社情報技術総合研究所
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嶺岸 則宏
三菱電機(株)情報技術総合研究所
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大樫 仁司
三菱電機(株)情報技術総合研究所
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伊藤 由樹
三菱電機(株)情報技術総合研究所
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